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【遠藤現夢の墓】裏磐梯を植林した男の墓

2018.07.30

遠藤現夢(えんどうげんむ)という方をご存知でしょうか?


今まで、磐梯山は何度か噴火でその姿形を変えています。
元は2,000mを超す富士山型の山でしたが、806年に噴火、山頂部が吹き飛び4つの峰に分かれました。
そして1888年の明治21年、1200年振りに大噴火し、4つの峰の内の一つ小磐梯が噴火し山体崩壊し、崩れ去りました。

山体崩壊は字のごとく、山が崩れるように岩屑なだれを生じさせ、あらゆるものを巻き込みながら周囲の地形を一変させます。
磐梯山のこの時の噴火では、裏磐梯エリアに岩屑がなだれ込み、川をせき止め村を沈め、五色沼や桧原湖などの湖沼を生じさる原因となりました。
あたり一面、火山灰に覆われ、荒廃した裏磐梯。その荒れた土地を植林して緑を蘇らせたのが遠藤現夢なのです。

遠藤現夢は会津若松の商家の家に生まれます。
自身も醸造業や運送業と実業家として活躍するかたわら、鶴ヶ城公園の緑地開発などに携わります。
鶴ヶ城公園は今でも桜の名所として有名ですが、その基礎となるソメイヨシノ1,000本を植樹したのも現夢とその友人たちでした。

彼は私財を投じ、長い時間をかけ裏磐梯の植林を続けました。植林のための10万本の木々を移動するため、荒野に道路を造りながらの作業だったと伝えられています。


そんな現夢の墓が、実は今も裏磐梯にあるんです。
裏磐梯ビジターセンターから伸びる五色沼自然探勝路、1時間30分程で美しい自然の中をトレッキングできる大変人気のコースです。
そう、このコースから5分ほど外れた場所に現夢の墓はあります。


ファイル 948-1.jpg

手前に石碑が、奥に大きな火山岩が見えるかと思います。
手前の石碑は後年、現夢の子孫により、彼の業績を後世にのこすため建立されています。
奥に見える大きな岩、少し近づいて見てみると…。


ファイル 948-2.jpg

火山岩の下に小さな通常のお墓が見えます。
なんだか岩が倒れてきそうな傾斜です。絶妙なバランスで立っているのでしょうか。


ファイル 948-3.jpg

そして、岩の上を見てみると…。遠藤現夢の名前が‥!
裏磐梯の大自然の中、ひっそりと静まる場所に、植林の原因となった火山岩が墓標のように屹立しています。
なんとも遠藤現夢にふさわしく、辺りには今もそこに彼がいるように感じられる特別な雰囲気が漂います。


現在、ウォータースポーツに釣りに登山に、あらゆるアクティビティーで人気の裏磐梯ですが、そんな環境の基礎を作り上げた人に想いを馳せてみるのもいいかもしれません。


ファイル 948-4.jpg

さて、この五色沼自然探勝路、美しい湖沼がたくさんありますが、個人的に好きなのなのはこちらの弁天沼。実物でみると鮮やかな青に感動します。
ファイル 948-5.jpg
上の写真の手前と奥の色の違い、感じて頂けるでしょうか‥?
思わず歎声のもれる美しさとはこのこと。


詳細情報


五色沼自然探勝路、遠藤現夢の墓の位置について、詳しくは下記の裏磐梯ビジターセンターのホームページをご覧ください。夏の暑い時期は帽子と水分の準備をくれぐれもお忘れなく。
裏磐梯ビジターセンター


ちなみに‥。
千代滝のラウンジにも裏磐梯の写真パネルを展示しています。お越しの際はぜひ、ご覧くださいね。
くつろぎ宿 千代滝・新滝